少し前のこと、学長(佐藤康行)の個人面談に立ち会うことになった。
面談に来られたのは20代前半の若い男性。
端正な顔立ちをした聡明で立派な青年だが、面談室を案内した時はどこか虚ろな目をしていた。
話を聞いてその理由がわかった。
彼は父親への強烈なトラウマと、幼い頃から両親の不仲な姿を見た育ったせいで今は鬱で仕事も何もできない状況だと話していた。
人との付き合いが苦手でほとんど人に対する感情が湧かず、生きる気力も、やる気も、何も起こらないと言う。
一般的にいうとかなり重度な状態だ。
学長の神業カウンセリングをこれまでたくさん見させてもらってきたが、今回ばかりは一体どうなるんだろうと思い、固唾を飲んで見守った。
完全に心を閉ざしたこの青年に、たった1時間の面談で何ができるんだろうと正直思った。
青年はとても聡明で考えもはっきりしている。しかし、明らかに世の中のすべてに心を閉ざしている感じだった。
学長が様々な質問を投げかける。
すると青年の答えはすべて両親にたどり着く。
人生における人間関係のカギは両親だと言うことがはっきりと感じられた。
学長が更に深い質問を投げかけると、青年は的確に返答をすものの、どこか全てを諦めたかのような口調だった。
しかし、驚いたことに、どんなことを青年が話しても、学長はただただ彼の満月(真我)しか見えていないと言うことがハッキリとわかった。
私だったら一体どんなふうにカウンセリングするんだろうと考えながら、学長の質問や会話を記録していた。
青年が何を言っても誰も到底できないような究極の満月返しなのだ!
学長は「満月という前提」という言葉で私たちには説明をしてくれるが、学長は明らかに前提ではない。満月しか見えないのだ。
これほどの神業を見たことがないと思った。
青年は少しづつ心を開いていった。
途中で「真我との対話」になった。
心は開いていくものの、それでも、なかなか感情を出せず重い蓋が彼を抑え込んでいた。
その彼が、ある学長の言葉に反応をして表情がパッと変わった瞬間があった!
自信なさげな表情から無邪気でイキイキとした若者の表情に変わったのだ。
更に、学長が彼の素晴らしさや可能性を思いっきりおうむ返しされると、さっきまでの青年は姿を消し、別人に変身をした優しい表情でやる気に満ち溢れた青年がそこにいた!!
感動だった。。
たった1時間の面談。
人生を根こそぎ変えてしまう奇跡の1時間。
もしも彼が学長に会っていなかったらどうなっていたんだろう。。
どれだけ学長の神業カウンセリングを私たちが標準化して再現できるのか。それはわからない。
しかし、これほどの宝物をそのまま感動だけで終わらせるわけにはいかないと心から思った。